それわた

それがわたしにとってなんだというのでしょう、な雲吐き女のつれづれ

愛はどこからやってくるのでしょう

自分の胸に問いかけた(LOVE 2000 / hitomi)

 先日、5年間付き合っていた彼氏と「お互いに仕事を頑張りましょう期間」と称して、距離を置くことにした(それならば受容できる、と彼が言ったもので)。5年ぶりに彼氏とか恋人とかいうものから距離を置いて感じたことは「あれ、わたし、このひとのこと好きだったっけ」だった。

 例えば、家に帰ってすぐに着ているものを全部脱いで、下着も外したとき。さあ思いっきりくつろぐぞ~~~~ってとき。そういう感覚に近い。羽をのばすってたぶんこういうこと。彼氏がいるいないにかかわらず、すきなように生きていると思っていたけど、気分が乗らないときにデートの約束があったり、プレゼントに趣味じゃないものをもらっても喜ばないといけなかったり、そういうことが5年経って少しずつ降り積もっていたんだと思う。

 結婚するの?と聞かれて、いつかねと答えてはいたけど、彼と結婚するビジョンなんて持てなかった。いまだにデートのたびに母親に夕ご飯不要の連絡入れてるところとか(いや冷静に26の男だぞ)、わたしの仕事に関してどこか軽んじているところとか(他人事のように大変だねとか言われる度に静かにキレていた。大変かどうか決めるのはお前じゃないし、哀れみとか一番いらない)、LINEの返事異常におっそいところとか(平気で丸2日返ってこない)今思い返すと理由はいくらでもあった。でもいいひとだし、彼なりに愛してくれているし仕方ないかなって思ってた。「わたしきっと、いつかはこのひとと結婚?とか?するんだろう」くらいには思ってた。

 でも24にもなって「いつかは」なんてゆるい感情で付き合っていけるほど自分に嘘をつけなかった。だって、こんなに感情の熱量が大きい女なはずなのに、いつまで経っても彼に対してぐらぐら湯が沸くようなパッション(上司の言うこの言葉がわたしは結構すきだ)が現れない。

 ずっと一緒にいたし、彼はわたしの「お気に入り」だったけど、でもやっぱり最後の最後まで「ずっと一緒にいたい」とは口に出して言えなかった。言葉にすれば自分に嘘をついているのに気づいてしまうから。

 たぶん、彼への気持ちはこれまでと同じように恋で始まって、愛になったような気がしていたけど、なっていなかった。じっと許せないことが増えていって、でも伝えることができなかったから爆発して、またお終いになってしまった。

 

 さて、ここで景気よく「お気に入り」ではなかったところを羅列しようと思う。思いついた順。(わたしの)後学のために。

  • 服がだせえ……だせえっつーか、ずっと同じものを着ている。身長180cmあって着映えするんだから似合う服とかいい服買えばいいのに、出会った時からずっと同じコートとか着てる。「雨量はおしゃれだよね」とか周りに言われてるから、別に自分ではそう思ってなくても彼氏見られるとき単純に恥ずかしい。
  • 薄っぺらい……中身があまりない。付き合った当初はまだわたしの知らないことを知っていてすてきだなと思ったところもあったけど、社会に出て社畜になったら全然アップデートされなくなった。話もツイートもつまんない。しかも仕事の話もしない。THE 前時代のヲタク。体内に熱いものが流れてない。
  • 古い……自分の知らないことに飛び込まない。新しいものを知ろうとしない。
  • フィロジニスト……こんなに自由にしてて女らしさとは無縁なわたしと長いこと一緒にいたのに、結局バカな女が好きで、男尊女卑的な、女は一歩下がって歩け的な思想の持ち主だった。どこ見て恋人を選んだんだろう。
  • 友人が少ない……彼の大学生活の大半を見てきたけれど、友人と呼べるような人間が少なすぎる。少ないならまだしも、加えて関係が希薄なのだから手に負えない。周りの人間にキャラクター(性格)すらもきちんと把握されていない。中高一貫校のはずだけど、6年間を過ごした友人の話さえろくに聞かなかった。ゆえに自分の立ち位置や、周りのアップデートを知る機会がなさすぎるのだと思う。
  • 常にやや音信不通……とにかくLINEの返信が遅い。下田美咲だったら3秒で破局。たぶん友達がいないせいもあるけど、誰かから連絡が来るかもしれないという意識がなさすぎる。確かにわたしも彼氏と四六時中連絡を取りたい派ではないけど、それでも常に丸2日連絡が返ってこなかったり、唐突に既読無視されたり、就職決まったという連絡を1週間無視されると堪える。デートの時にスマホの充電15%とかで来るのも意味が分からない。それなのにTwitterは超見る、何事。
  • 家事とかしたことない(たぶん)……「男だから」というただそれだけの理由で、家事やらなんやら「女の仕事」と思っているものに触れないできたんだろうな。でもさすがに26にもなってデートの度に母親に夕ご飯いるかいらないか連絡しているのを見るとドン引きする。てめえの世話くらいてめえでできるのが人間だろうよ。

 たくさん出たな。これくらいかな。おまけでいいところも挙げておく。

  • 地図が読める
  • 対話ができる
  • マイナスの感情の起伏がない
  • 高身長
  • 女友達がいない
  • 思ったことを恥ずかしげもなくストレートに伝えられる

以上。最後はわたしが最もすきなドラマの一つである「最高の離婚」(2013)の、結夏さんの名言で締めさせていただく。 今までありがとう。

「わたし、あなたもういらないの。もういらなくなったの。」